ゾイド星で最強兵器となったデスザウラーの荷電粒子砲。
その小型量産を目指したのが本機体である。
開発はデスザウラーに搭載する大口径荷電粒子砲が完成した段階から開始し、
その際の軍部からの要求は、火力の低下を最小限に小型化を目指すことと、
システム自体のユニット化だった。
47年夏ごろにようやく中口径までのダウンサイズ化に成功。
ベース機体を一番入手しやすいレッドホーンとし、2ヵ月後には1号機がロールアウト。
砲塔は連装とし、全四門の中口径荷電粒子砲の威力は大口径荷電粒子砲に劣らぬ
威力となった。
だが、そのために荷電粒子吸入、生成システムのダウンサイズ化が思うように進まず、
レッドホーンの背中には大型のユニットが装備される。
初の試験の際には、過熱化によるシステム暴走が発覚。
そのまま機体は爆発寸前までいったところで緊急システムにより停止。
それからさらに3ヵ月後、威力を以前の1/4ほど抑えることにより、問題点をクリア。
軍部による審査が行われた。
試験結果を見た軍部は、威力は良好、ただ彼らが求めているものは既存の中小型ゾイドでも
簡単に搭載できるものであり、その背中にずっしりと載せられた発射装置を見て
こんなデカブツを要求したおぼえはないと一蹴。
開発チームに対して来年度以降の研究チーム解散を示唆する言葉を残して去ったという。
それから数ヵ月後、共和国軍による大攻勢が開始され、中央山脈ににおける補給ルート
を爆撃する共和国軍空軍に頭を悩まされた帝国軍幹部は、過去の開発中止ゾイドの再検討
をはじめ、この機体は採用されることが決定した。
採用点は以下のとおり。
・砲塔の上下旋廻が可能な本機は、有効な対空兵器となりうる。
・威力は劣るが、デスザウラーの進入しづらい山岳奥地へに配備することが可能。
・山岳部以外にも要塞戦、基地防衛などの対地攻撃にも非常に有効。
・ユニット化による生産性、既存の機体への機種変更が容易。(初期の機体にも搭載可能。)
採用されたこの改造機は、一撃必殺を意味する”必殺野郎”というスラマーの名をもらい、
スラマーホーンと名づけられた。
スラマーホーンは、数ヵ月後にはユニットの生産が開始され、中央山脈での戦闘で散発的に
見られ、その威力を見た共和国軍からは、黒い甲羅を背負ったホーンに気をつけろという言葉が
よく出たという。
中央大陸戦争終結後、一部機体がガイロス帝国で使用されているのが確認されているが、
ガイロス帝国の公式記録では、すべてダークホーンへの機種変更されたという。
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